問題

(出典:日本技術士会のホームページ 過去問題(第一次試験) 基礎科目 令和5年度)
コーチング対話解答
ツトムさんこれは変速機が付いた系でのトルクを求める問題ですね。
変速機が無い場合の単純な系でのトルク\(τ\)は
円盤の慣性モーメント\(I\)と角加速度\(α\)から以下のように求められますね。
\[
\tau=I\alpha
\]



そうですね。
基本的な部分は押さえられていますね。
角加速度\(α\)はどのように与えられていますか?



この問題では\(T\)時間の間に、角速度が\(\omega_1\)から\(\omega_2\)に変化するので、
\[
\alpha=\frac{\omega_2-\omega_1}{T}
\]
として与えられています。
よって、円盤側、つまり出力側に必要なトルク\(\tau_{\mathrm{out}}\)は、
\[
\tau_{out}=I\,\frac{\omega_2-\omega_1}{T}
\]
となります。
そこで変速機による効果を考慮しないといけません。



問題文では、入力軸と出力軸の回転速度の比が
\[
1:1/n
\]
となっています。これはどういう意味ですか?





入力軸が1回転する間に、出力軸は\(1/n\)回転するという意味です。
角速度で表すと、入力側の角速度を\(\omega_{\mathrm{in}}\)、出力側の角速度を\(\omega_{\mathrm{out}}\)とすると、
\[
\omega_{\mathrm{out}}
=
\frac{1}{n}\cdot\omega_{\mathrm{in}}
\]
となります。
出力側の角速度が小さくなっていますので、減速機ですね。



その通りです。
では、効率1、つまり損失が無いなら、入力側と出力側の動力は等しくなりますね。



そうですね。
動力\(L\)はトルク\(\tau\)と角速度\(\omega\)の積ですから、
\[
L
=
\tau_{\mathrm{in}}\cdot\omega_{\mathrm{in}}
=
\tau_{\mathrm{out}}\cdot\omega_{\mathrm{out}}
\]
となり、先ほどの式を入れると、
\[
\tau_{\mathrm{in}}\cdot\omega_{\mathrm{in}}
=
\tau_{\mathrm{out}}\cdot\frac{1}{n}\cdot\omega_{\mathrm{in}}
\]
となりますから、
\[
\tau_{\mathrm{in}}
=
\frac{1}{n}\cdot\tau_{\mathrm{out}}
\]
です。



つまり、モータ側に必要なトルク\(\tau_{\mathrm{in}}\)はどうなりますか?



\[
\tau_{\mathrm{in}}
=
\frac{1}{n}\cdot\,I\cdot\frac{\omega_2-\omega_1}{T}
\]
となりますので、答えは② です。



正解です。



順を追って回答していけば、正解にたどり着けますが、
変速機の部分で単純に\(n\)をかけてしまうなどの
ミスをしないようにしないといけないですね。

