問題

(出典:日本技術士会のホームページ 過去問題(第一次試験) 基礎科目 令和5年度)
コーチング対話解答
ツトムさん3個の同じ機能の構成要素があり、
そのうち2個以上が正常に動作している場合に、系が正常に動作するのですね。



そうですね。
まず、計算をする前に確認です。
なぜ3個も同じものを付けるのでしょうか?



3個のうち一つが壊れても正常に動作するようにしてあるのだと思います。
航空機やロケットなどはこのような仕組みを取り入れて安全性を確保しているのでしょうね。



そうです。
航空機では飛行制御コンピュータを3台積んで、
その3台の判断を比較して、
多数決で間違えのない制御を行うようにしています。





それを2/3多数決冗長系と呼ぶのですね。



そうです。
では今回、
「正常に動作する条件」
は何でしょうか?



3台全部動く場合と、
3台の内、2台だけ動く場合です。



その通りです。
それで場合分けをしていけばいいのです。
その方針で解いてみてください。



分かりました。
まずは全要素が正常の場合は、
各要素の信頼度が0.7ですから
0.73=0.343
です。
次は、1つの要素だけ故障する場合は
2台正常で、1台故障なので、確率は、
0.72×0.3=0.147
となります。



それは3つの要素の内、1つが故障する確率ですね。
今の場合は?



故障する1つの要素が、3つの内、どれであっても同じなので
全体でこの3倍ですね。
0.147×3=0.441
これ、忘れそうですね。



それでシステム全体の信頼度はどうなりますか?



全部正常の場合と1個が故障する場合の和になりますので、
0.343+0.441=0.784
となります。
答えは、④の0.75以上0.8未満 ですね。



正解です。
多数決冗長系の信頼度\(R_s\)は各要素の信頼度を\(R_c\)とすると、
以下のように一般化されます。
\[
R_s=\sum_{i=k}^{n} {}_nC_i\,R_c^{\,i}(1-R_c)^{\,n-i}
\]



今回の問題では、\(n=3\)、\(k=2\)の場合になり、
\[
R_s
=
\sum_{i=2}^{3}
{}_3C_i R_c^{\,i}(1-R_c)^{3-i}
=
{}_3C_2 R_c^{2}(1-R_c)
+
{}_3C_3 R_c^{3}
\]
となるのですね。
この式の右辺はさらに展開すると、次のようにも書けますね。
\[
R_s=3R_c^{\,2}-2R_c^{3}
\]



そうですね。
2/3多数決冗長系の場合はこちらをそのまま覚えておいた方がいいかもしれませんね。
それでは試しに計算してみてください。



\[
R_s = 3\times 0.7^2 – 2\times 0.7^3 = 1.47 – 0.687 =0.784
\]
で同じ結果になりました。



単純に場合分けをしながら丁寧に計算していく方がいいですが、
慣れたら後者のやり方でもいいですよ。





最初にこの問題を見た時は、信頼性の並列の問題かと思いましたけれど、
それだと、1つでも正常ならOKになってしまうのですね。



そうですね。
故障した場合に完全に答えが出てこなくなるのであればいいですが、
故障して間違った答えを出してきたときに、
どれが正しいかを判断するときは、
この多数決の方式を使います。
ここで一つ考えてみましょう。
もし要素が2台だけだったらどうでしょうか?



その場合は、2つの要素が異なる結果を出した時に、どちらが正しいのかが分からなくなります。



その通りです。
3台あると、1台故障しても、残りの2台が正しい答えを出して、それらが同じになりますので正常だと判断できます。


