はじめに
技術士の技術部門や必須科目について理解が進む中で、ツトムさんは「総合技術監理部門」が、他の技術部門とは明らかに性格が異なることに気づき始めていました。
ツトムさんこれは、いったい何を問う部門なのだろう?
今日のテーマ
- 総合技術監理とは何ですか?
- なぜ「管理」ではなく「監理」なのですか?
- 他の部門と何が違うのですか?
コーチング対話



総合技術監理部門は、技術士資格の中でも特別な位置づけに見えます。
正直、何がそんなに違うのか、まだよく分かっていません。
総合技術監理部門とはどのようなものなのでしょうか?



では、逆に聞いてみましょう。
技術士というのは機械から原子力・放射線まで20の個別の技術部門がありますが、
その課題点は何だと思いますか?



技術士の各部門は
それぞれの技術分野のプロフェッショナルとして認められる存在にはなりますが、
私のやっている業務でもそうですが、
一つの製品を作り上げるにしても複数の技術の組み合わせが必要になりますので、
ある一つの技術分野というだけではなく
それらを横断する課題解決能力、応用能力が求められているのではないかと思います。



まさにその通りです。
そして複数の技術の横断的な知識・能力だけではなく、
コストといった経済性や組織としてどのように運営していくか
といった人的な要素に対する管理も必要になります。
総合技術監理を深く知るためには
「総合技術監理 キーワード集」というものがありますので、
これを読むといいです。
これは単なるキーワード集ではなく、
総合技術監理が設立された背景や求められる能力の説明、
そしてその時代に合ったキーワードが体系立てて記載されています。
添付ファイル:総合技術監理 キーワード集 2026



総合技術監理部門は2001年に新設されました。
ツトムさんも感じていると思いますが
科学技術の発展はとてつもなく早く、
それとともに地球環境や安全性といった多くの課題も生み出しています。
その中で...



それらに対応していくためには個別の技術知識・能力を駆使したり、
課題を個別に管理するだけでは不十分で、
業務全体を見渡した俯瞰的な把握・分析に基づき、
複数の要求事項を総合的に判断する能力が必要になりますね。





その通りです。
総合技術監理とは、
個別の作業を管理することではなく、
全体を俯瞰し、判断し、方向づけることなのです。



今まで「監理」という文字に違和感を感じていました。
なぜ「管理」という字ではないのだろうかと。
全体を俯瞰して総合的に判断するという意味で
「監理」という言葉が使われているのですね。



総合技術監理キーワード集には
試験でも問われる5つの管理技術について説明があります。
それらは、
(1)経済性管理
(2)人的資源管理
(3)情報管理
(4)安全管理
(5)社会環境管理
です。管理技術項目と各々に求められる知識を以下に示します。
・事業企画:事業のアイデアや案件の具体化
・品質管理:品質方針と品質目標を設定し、それを達成するためのマネジメント活動
・工程管理:事業計画、品質・コスト、納期を遵守するための生産・施工活動の統制
・原価管理・管理会計:経営活動や管理活動の効率化と経営業績の向上の仕組み ・財務会計:組織の財務状況などを外部の利害関係者へ報告
・設備管理:設備のライフサイクルの管理
・計画・管理の数理的手法:生産・施工活動の計画・管理に役立てるための手法
・人の行動と組織:人の行動モデルや組織文化論やリーダシップ論
・労働関係法と労務管理:従業員の安全と健康を守るためのさまざまな制度の理解
・人材活用計画:組織の重要な経営資源である人の計画的活用 ・人材開発:組織構成員や組織内部の集団等を変革するプロセス
・情報分析と情報活用:飛躍的に増大する情報量の分析と活用
・コミュニケーション:複数の人同士や組織の内外において重要なコミュニケーション
・知的財産権と情報の保護と活用
・情報通信技術動向:様々な業務遂行において不可欠な情報通信技術(ICT)の活用 ・情報セキュリティ
・安全の概念:安全の概念や関わる制度・システム、それへの対応の考え方
・安全に関するリスクマネジメント
・労働安全衛生管理:職場で働く人たちの生命や心身の健康を維持するための管理
・事故・災害の未然防止対策活動・技術
・危機管理:危機(crisis)に対する対策の体系化 ・システム安全工学手法:リスク発生過程を調べるための分析・解析手法
・地球的規模の環境問題
・地域環境問題:足元の地域的環境問題への積極な対応
・環境保全の基本原則 ・組織の社会的責任と環境管理活動



まさに会社で行っている活動の全体像ですね。
私も会社では安全管理委員会に加わって活動していますが、
技術と関係しているとはあまり感じてこなかったですね。
これをすべて網羅して監理していかないとビジネスは動かせないのですね。



より高い技術能力を証明する資格として総合技術監理部門が設立されました。
そのためには豊富な実務経験が必要であろうということから
他の技術部門に比べて長い実務経験を受験条件としています。
その長い実務経験の中では、ツトムさんのように安全管理を行ったり、
マネージャであれば部下の管理をしたりして
総合的な監理技術を習得していくのです。
これらの事項は口頭試験で問われますので付け焼刃では太刀打ちできない、本当に技術のプロフェッショナルで経験豊富でないとなれないものです。



技術の知識はすごいけれどマネジメントは苦手という人がいますが、
そのような人は改めて総合技術監理の知識をつけて、
実践していくのがいいのでしょうね。



その通りです。
総合技術監理の資格があると
他の部門の技術士の人からも一目置かれる存在となります。
試験の合格率は他の技術部門とほぼ同じ10%台ですが、
多くは他の技術部門の技術士試験に合格した後で
総合技術監理部門を受験するためすでに技術レベルが高い人が
受験してこの合格率なのでその難易度はかなり高いと言えるでしょう。



でしょうね。
まずは機械部門の技術士を目指して頑張り、
将来的には是非とも総合技術監理を取りたいですね。


まとめ
- 総合技術監理には現代の複雑化する社会での全体を見渡した俯瞰的な把握・分析に基づいた、複数の要求事項を総合的に判断する能力が求められる
- より高い技術能力を証明する資格として総合技術監理部門が設立された
- 総合技術監理キーワード集には総合技術監理が設立された背景や求められる能力の説明、そしてその時代に合ったキーワードが体系立てて記載されている
- 5つの管理技術:(1)経済性管理、(2)人的資源管理、(3)情報管理、(4)安全管理、(5)社会環境管理

