(4)技術士の部門、選択科目とは

技術士の部門、選択科目
目次

はじめに

技術士第二次試験への道筋が少しずつ見えてきたことで、ツトムさんの気持ちは前向きになっていた。 一方で、自分がこれまで積み重ねてきた業務経験と「技術士の技術部門」との関係を考え始めると、ある疑問が浮かんできた。

ツトムさん

自分は、どの技術部門の技術者なのだろうか?

これは、多くの受験者が必ず一度は立ち止まる問いでもある。

今日のテーマ

  • 自分はどの技術部門で第二次試験を受験するのか?
  • 第二次試験における選択科目と専門とする事項の考え方は?

コーチング対話

ツトムさん

私は大学で機械工学を学び、
メーカに入社後は装置設計を担当してきました。
なので機械部門での受験を考えていたのですが、
実際の業務では電気回路設計にも関わっていますし、
対象が浄水場向け装置だったので、
上下水道部門や衛生工学部門も考えられるのではないかと思ってきました。
技術部門は、どうやって決めるのが正解なのでしょうか?

マナブ先生

とてもいいところに気づきましたね。
では、少し視点を変えて聞いてみましょう。
ツトムさんは「自分は何屋だ」と説明するとしたら、どう言いますか?

ツトムさん

うーん……
「機械を中心に、装置全体をまとめるエンジニア」でしょうか。

マナブ先生

今の答え、かなり本質を突いていますよ。
実は技術士制度は、技術者のキャリアが変化することを前提に作られています。

技術士相談

第一次試験と第二次試験の技術部門は「同じでなくてよい」

マナブ先生

技術士試験の面白い点の一つは、
第一次試験で合格した技術部門と、第二次試験で受験する技術部門を変えられるという点です。

ツトムさん

ということは、
第一次試験を電気電子部門で合格していても、
第二次試験は機械部門で受験できるのですね。

マナブ先生

その通りです。
そして、第二次試験で合格した部門が、技術士として登録される部門になります。
これは一つには若いころに第一次試験を受験して
その当時は電気電子系を中心に研究開発をしていたので
電気電子部門で合格した人が、
その後、実務経験を積む中で機械系の専門分野に進むことになり、
機械の専門家として技術士になるという想いで
第二次試験を機械部門で受験をして、
機械部門の技術士になることができるということですね。
そして、
第二次試験を受験しようとする技術部門に関連しない業務についても
科学技術に関するものであれば、業務経歴として算入できるのですよ。

ツトムさん

なるほど……
若い頃と、今とで専門が変わることを想定しているのですね。

マナブ先生

まさにそれです。
研究テーマや業務内容は、キャリアの中で自然に変わっていきます。
技術士は「今のあなたが、どの分野のプロフェッショナルか」を問う資格なのです。

業務経歴は「完全一致」でなくていい

ツトムさん

でも、
第二次試験で選ぶ技術部門と、
業務内容が完全に一致していないとダメなのでは?

マナブ先生

いい質問ですね。
結論から言うと、完全一致である必要はありません。
科学技術に関する業務であれば、関連する業務として業務経歴に算入できます。

ツトムさん

それなら、機械設計を軸にしつつ、電気やプラント関連の経験も活かせそうですね。

マナブ先生

そうです。
第一次試験と第二次試験を同じ技術部門にしておいた方が、
第一次試験の専門科目と、第二次試験の試験内容は重なる部分もあるので、
学習の量が少し減るということがありますが、
自分の知識を幅広く持つということを目的にしたり、
実際に第一次試験合格から第二次試験受験までに
自分の専門が変化することがあるので、
それは第二次試験の申込みをするときに決めればいいと思います。
大切なのは「どの技術部門で、自分の専門性を一番説明しやすいか」です。

第一次試験の技術部門の決め方

マナブ先生

第一次試験の技術部門を決めるときは、
「これまで一番体系的に学んできた分野
で選ぶのがおすすめです。

ツトムさん

それなら、私の場合は機械部門ですね。
大学で学んだ内容とも重なりますし。
第二次試験もおそらく機械部門だと思いますが、
それはこれから自分の実力を見ながら第一次試験に合格してから考えます。

マナブ先生

良い判断です。
過去問題を見て、「説明できそうだ」と感じるかどうかも大切ですよ。
それではどのような技術部門があるのかを見ていきましょう。
第一次試験では、総合技術監理部門を除く20の技術部門について試験が行われます。
技術部門とその専門科目の範囲は以下です。

ツトムさん

機械部門は4大力学と言われているものが専門科目なので
大学の授業で習ったそのままのような感じですね。
第一次試験には総合技術監理部門はないのですね。
実務経験の年数も多いので、技術士のさらに一段上という感じなのですかね。

マナブ先生

総合技術監理部門を受験する人は、
大体は他の技術部門を取得した後が多いですね。
問われることも総合的なものになってきます。
総合技術監理部門についてはまた時間を取って説明します。
日本技術士会のホームページにある「第二次試験 技術部門/選択科目」も見てみましょう。
第一次試験と同じ20の技術部門の表と別に総合技術監理部門の表がありますね。

ツトムさん

技術部門の下に選択科目というものがあり、
部門によっては第一次試験の専門科目に記載されていたものよりも
細かくなっているところもありますね。

マナブ先生

第二次試験の受験申込書には、
・技術部門
・選択科目
・専門とする事項
を記載する必要があります。

ツトムさん

「専門とする事項」というのは、
この表の中の「選択科目の内容」から選ぶか、
これと同じような事項を記載するのですね。

マナブ先生

第二次試験の筆記試験は
・技術部門別の必須科目
と、さらに細かく
・選択科目別の出題
があります。
すべて記述式問題となっており
各問題で600字詰め原稿用紙に1~2枚書く必要があります。

ツトムさん

短い技術論文のようなものですよね。
かなり専門的な知識と、
それを応用した課題解決能力が求められるのでしょうね。
選択科目を選ぶときに考えておくことはありますか?

マナブ先生

その通りです。
だから選択科目を選ぶときは、
「一番語れる分野」
を選ぶことが重要です。
もう一つ、知っておいてほしいことがあります。
技術部門と選択科目は、技術士になった後もずっと名乗る専門分野になります。

ツトムさん

ということは、仕事にも影響しますね。

マナブ先生

はい。
・特定分野の技術士が求められる業務
・他資格試験での一部免除
など、将来の選択肢にも関わってきます。
技術士の人で複数の技術部門、選択科目を持っている人もいます。
業務で使うことができますからね。

ツトムさん

資格の取り方次第で、将来の広がりも変わるのですね。

試験免除という視点も知っておく

マナブ先生

技術部門を選ぶ時に試験の一部免除もあることも教えておきましょう。
第一次試験では、
・中小企業診断士
 → 経営工学の専門科目免除
・情報処理技術者試験(高度)
 → 情報工学の専門科目免除
などがあります。
第二次試験では、
総合技術監理部門の場合、
既に技術士第二次試験に合格している場合は、
合格している技術部門/選択科目に対応するものに限り、
選択科目が免除されます。

ツトムさん

活用できるものは活用していきたいですね。

マナブ先生

こうした制度を「知っているかどうか」も、
技術部門、選択科目を選定する上で重要なポイントです。

まとめ

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