はじめに
技術士資格にますます興味を持ったツトムさんにマナブ先生は技術士試験について説明をします。

今日のテーマ
- 技術士受験資格とは?
- 技術士第一次試験の受験資格と第二次試験の受験資格は?
コーチング対話
ツトムさん技術士試験について日本技術士会のホームページを見てみたんですが……
正直、受験資格とか、何から手を付ければいいのかがよく分からなくて。



なるほど。「分からない」という感覚、悪くないですね。
ツトムさんは、何が一番モヤっとしましたか?



試験がいくつもあって、流れがつかめないというか……全体像が見えませんでした。



では逆に聞いてみましょう。
ツトムさんが思う「技術士試験の目的」って、何だと思いますか?



うーん……知識量を試す試験、でしょうか?



多くの人が最初はそう考えます。
でも実際には、自分の持っている技術をどう整理し、どう語れるかを問われる試験なんです。
第一次試験、第二次試験、そして口頭試験――
その中で自分の技術体系を整理し、基礎的な知識の基盤をまとめたうえで、
専門知識全般をカバーし、自分自身が何をやってきて、これから何ができるのかを聞かれます。
この流れは、ツトムさん自身の「技術者としての棚卸し」だと思ってください。



棚卸し……なるほど。
合格して終わりではなく、その後もさらに自分自身の知識や交友関係の幅を広げて
成長していく前提なんですね。



いいところに気づきましたね。
技術士は「なった瞬間に完成」ではなく、「そこからどう在り続けるか」を問われる資格です。



そう聞くと納得できますが……やはりハードルは高いですよね。
合格率も、第一次試験が40〜50%、第二次試験が10%程度と書いてありました。



数字を見て、ツトムさんはどう感じましたか?



正直、簡単ではなさそうだなと……。



ええ。でもこれは「才能の壁」ではありません。
基礎を固め、技術動向にアンテナを張り、自分の意見を論理的に説明する――
その積み重ねができているかどうか、を見ているんです。



そう考えると、やるべきことは意外と明確ですね。





その通りです。
技術士試験の過去問題を見ましたか?



はい。第一次試験も第二次試験も、日本技術士会のホームページには10年分くらいありました。



あれは宝の山ですよ。
問題を解くことで、「次に何を学ぶべきか」を試験が教えてくれます。
(少し間を置いて)



ところで……今さらですが、ツトムさんの学歴は?



えっ、学歴って関係あるんですか?



「必要」ではありません。
ただし、学歴によって技術士になるまでの経路が変わることはあります。
ツトムさんのこれまでの業務内容も含めて、整理したいと思って。



なるほど。
私は〇〇大学の機械工学科を卒業して、実務経験年数も受験資格は満たしていると思います。



いいですね。
ちなみに、JABEEという言葉は聞いたことがありますか?。



ジャビー?……いえ……初めて聞きました。



JABEEという教育課程の学科を持っている大学を卒業していると、
第一次試験を経ずに第二次試験に進めます。
ただし、これは「近道」ではなく「別ルート」なんです。
JABEEについては後で説明しますので、まずは技術士試験の全体像を見ましょうか。





技術士には技術士第二次試験に合格することが必要で、
そのためにはまず修習技術者にならなければならないんですよ。



日本技術士会のホームページには
「修習技術者のための修習ガイドブック ―技術士を目指して―」
という冊子がダウンロードできて、技術士とは何かということも書かれていましたね。



修習技術士になるには2つの方法があり、
一つは「指定された教育課程を修了したこと」、
もう一つは「第一次試験に合格すること」なんですよ。
この「指定された教育課程」というのが日本技術者教育認定機構、
英語名ではJapan Accreditation Board for Engineering Educationの
頭文字のJABEE(ジャビー)の認定を受けた大学の学部で、
毎年更新されています。
技術士は文部科学省の管轄なので文部科学省の技術士分科会というところに資料があります。



なるほど……残念ながら私の出身の学部は私の卒業年では該当していなさそうです。



それなら第一次試験からですね。
でも覚えておいてください。
第一次試験は、年齢・学歴・国籍・経歴を問われません。



技術士になる最初の関門の第一次試験は誰にでも開かれているんですね。



ええ。
そして合格すると「修習技術者」になります。
この言葉から、ツトムさんは何を感じますか?



「学びの途中」という感じでしょうか。



まさにそれです。
修習技術者は、技術士になるために修習する立場。
技術士補として登録するかどうかは選択ですが、
本質は「技術者としてどう成長するか」にあります。



だから、この図に複数の経路が描かれているんですね。





よく見ていますね。
ツトムさん自身が、どの道を選ぶか――
それを考えること自体が、すでに技術士的な思考なんですよ。
まとめ
- 技術士第一次試験の受験資格:年齢、学歴、国籍、業務経歴などによる制限はない
- 技術士第二次試験の受験資格:
- 修習技術者であること=技術士補に登録する必要はないが、技術士補となる資格を有すること
- 修習技術者になるには、
- ➀指定された教育課程を修了していること:日本技術者教育認定機構JABEEが認めた教育課程(大学の学科)
- ②技術士第一次試験を合格していること
- 技術士試験は知識試験ではなく「技術者としての自己認識」を深めるプロセスである 試験の構成や合格率を説明するのではなく、「自分はどんな技術者で、何ができ、これからどうありたいか」を言語化する場であることが明確になった。
- 不安や疑問は「準備不足」ではなく「成長の入り口」 分かりにくさやハードルの高さを否定せず、問い直すことで、ツトムさん自身がやるべき行動や学習の方向性に気づいていった。
- 複数の受験経路は“優劣”ではなく“自分に合った選択肢” JABEE、第一次試験、修習技術者といった制度を通じて、資格取得そのものよりも「どう成長するか」を自ら選ぶ姿勢が重視されていることが浮き彫りになった。

